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広州・桂林・陽朔旅行で思う事(善隣友好が大切です)
<欧米日の衰退を隠す、やらせ景気回復>
日米欧主導の時代が曲がり角に来ている。副島隆彦氏の「欧米日やらせの景気回復」によれば、ユーロ圏は米日とも協調してジャブジャブ・マネーを作りだし、そ の結果フランス大手3行等欧州の30行が倒産を免れ、一時的に円安、株高の局面になっていると論じ、投入金額が巨額なので暫くはその効果が続くとしてい る。ドイツまで米国金融工学に騙されていたのでユーロは大きな危機だが、これで乗り切る事が決まったようだ。まだ危機の演出は続くが、この大きな流れは変 わらないだろうが円高・株安が再燃したり、日銀の介入で円安・株高になったり方向性が定まらない不安定な局面が続いており、注視が必要である。
<中国等のBRICSの台頭>
米国1国覇権の時代から、中国との2極時代が始まっているのは確かだ。中国等BRICSの台頭は目覚ましいものがある。しかし日本経済新聞やNHKを始めマ スコミは、米国や官僚の統制により、米国金融の内情の酷さや、米国の貧困大国化や、米国民の統制強化・自由の喪失等には触れず 「日米同盟の深化の重要性」のみを強調するだけだ。IMF等を通じた日米欧の官僚統制経済の強行により衰退を隠し、各国民の負担を増大させて米国債・株価・景気を維持する事に必死である。
一方の極に成長したBRICSの動向について日本の報道はあまりに少なく、しかもマイナスのもののみ選んで誇大に報道していて、マイナスのイメージを植え付ける意図が強過ぎるようだ。正しい、実態を掘り下げた情報が本当に必要な時なのだが。
<分断工作・米国の戦略とマスコミ>
米国と隷従する日本の官僚・政府は中国との尖閣諸島領有を巡る争いを煽ったり、韓国人の多い特別永住者の地方参政権の問題や韓流過多を批判したり、北のミサ イル問題を過大に騒ぎ立てる等、日本と近隣国と争わせるようにあからさまな工作を展開している。マスコミは積極的に動いており、まともなジャーナリズムで はなく、分断工作の首謀者の一員であるように見える。
<米国の戦略の変更>
・中東への関与減
米国はアフガニスタンで2014年末に治安の権限を委譲する。2012年7月から米軍の一部撤退が始まるが、パキスタンとの関係悪化で退路の確保も難しそう だ。今後中東への関与度の後退を余儀なくされている。シリア情勢の日米欧の報道も一面的過ぎ、イラクに大量破壊兵器が無かったように、民衆虐殺を誰がやっ ているのかは疑わしく、真相を見極める必要がある。
イランの核施設への攻撃が決行されるのか?が最大の問題なのだが今はサイバー攻撃を仕掛け核施設空爆以上の戦果をあげようとしているようだ。
・中国包囲網作り
いずれにせよ米国は中国を仮想敵国に見立て包囲網を構築しようと新たな防衛線作りに必死のようだ。野田政権に森本氏を防衛相にするよう指示し、対中国敵視政策を遂行させようとしている。
しかし事は単純でなく、米国債の保持を続けて貰わないと経済が成り立たないので、中国とは裏の繋がりは太いようだ。
米軍の再配置に呼応したと思われる東京都・石原知事の尖閣諸島購入の動きを丹羽駐中国大使は批判したが、政府から撤回させられ、近々交代のようだ。本当は視 野が一面的で挑発的過ぎる東京都が購入する方が問題なのだが。野田首相自身も対米盲従しか考えていないので、このままだと日中関係も難しい局面になってし まう恐れが強い。
<近隣国とは善隣友好関係が一番>
・軍拡や戦争を煽る人達
一般市民にとっては、隣国との密接な友好関係に基ずいた交易や人材の交流による安定した互恵関係が共通の利益なのだ。米国の産軍複合体やそれに連なる人達にとっては、緊張を高めて高額な武器を売却する事が多大な利益に繋がるので危機の演出に必死だ。
更に一番の問題は、米国大銀行達の大赤字の裏帳簿を御破算にする為に戦争を起こそうと企んでいる人達がいる事で、いろいろな策謀を繰り広げており、徐々に緊張が高まりつつある。
・ネットの情報把握と共有で友好促進に繋げよう
幸いにも、今は一般市民でも米国やイスラエル政府の意向・動向がネット上である程度把握出来る時代だ。彼らの意図・行動を監視して暴発させぬよう注意が必要 だ。一方隣国中国の実像を把握する為に出来るだけ自分の眼で各地を見て回り、正しい情報により無益な戦争や軍拡競争に陥る事なく、安心して交易・交流出来 る関係作りが重要である。
<中国の実像に迫り良好な関係作りをしていこう>
今回の旅行で自分で見聞きした最近の中国の実像を纏めてみた。大国中国の僅かな一部分とは思うが、悪意を持って対立を煽る日本の情報空間を通じた中国の姿と実態とは乖離が大きいのが実情と思う。
私達は素直に中国の急速な実力の向上を認めた上で、発展に伴う様々な問題点も把握しながら、対等・親密な両国関係を築いていく事が重要だ。その基盤を築いた上で楽しい民間交流をしていきたいものです。
2.それぞれが美しい街。急速な成長はまだ続いている。
(1)広州・桂林・陽朔旅行で感じた事
<広州=落ち付いた大都会>
・関空から4時間15分の広州は広東省の省都。人口1270万人の中国第三の都市だ。上海や北京より渋い、落ち付きを感じさせる街並みである。
・「食は広州にあり」は本当だった。広東料理だけでなく、四川・北京等多彩な料理が味わえる。
・香港・深圳のほぼ西。深圳も近く、電車で2時間程で香港にも行けるし、マカオも遠くない。
・市内の中心街は銀座の道を少し細くした感じで美しく、通行人は皆かなりお洒落だ。中心街にさりげなく宋・明の時代の発掘された古道があり、気楽に安心して散歩が楽しめる。
・ショッピングモールは香港資本(李兆基の恒基兆業地産集団?)による最新の作りで華麗で広大だった。本当に沢山のブランド店が軒を連ねていて、中国の富豪達用の高額な翡翠・金製品が並べられ圧倒される。眼の保養にはなったが。
・市内の西越博物館には古代の墓・煌びやかな埋葬品があり、一見の価値がある。
<桂林=景観の素晴らしい国際的観光都市>
・広州から飛行機1時間余りで桂林へ。ここも大きく立派な空港だ。
・ホテル(漓江大瀑布飯店)からは漓江の景観が眺望出来る。翌日象鼻山や七星公園を散策した。公園は広大な森で入場料が高いらしく人が少ないので、3頭いるパンダも間近でガラス越しにゆったり見れた。
・近くの両江四湖クルーズでは4つの少数民族の住居を巡り歓迎を受けた。川に点在する少数民族は観光客に文化を見せて暮らしているようだ。
・お目当ての漓江下り(距離83km)は山水画に良く出る景勝地の風景が竹江から陽朔までずっと続く。今回は雨で水量が多く4時間で下ったが、両岸の景観が変化し続け全く見飽きなかった。
・桂林の人口は500万人弱だそうだが観光客が多く、国外から年間500万人も訪れるとの事。国内からも3000万人と言う。空港も立派で欧州からの観光客も沢山いて賑わっていた。
<陽朔=懐かしい風情の桃源郷>
・桂林から陽朔はバスで2時間程。陽朔は人口30万人の小さな県。中心にある西街は西洋人が多い街の意で、国際色豊かでホテルからも近く、民族品のショッピングが楽しかった。
・ 景勝地陽朔に3泊したが、ホテルは5つ星で木材を多用した瀟洒で大きなリゾートホテルだ。部屋のベランダから山水画そのものの風景が見え、沢山の鳥の鳴き 声が聴こえ、眼前を流れる小川に筏舟が行き来し、牛追いの農民もいて、蛙も鳴き、本当に昔懐かしい桃源郷のような所だった。
・すぐ傍から6人乗りの筏に乗って小川を下る。鵜飼も間近で見れた。長良川より大きな魚を何度も飲み込み吐き出していた。暫く川岸を歩くとラクダまでゆったり歩いていた。
・扇子で有名な村の福利鎮見学後、漓江を見るスポット(20元札の図柄にもなっている)の興坪では、日本人の林さんが作った「和平亭」から漓江を眺めたがなかなか乙であった。
・農村は昔と様変わりしてすっかり豊かになったようで、農家の3~4階建ての大きな家並みが点在して続き、用水路も整備が進んでいて、農産物も種類が豊富でおいしいのには驚いた。
・夜は水上歌劇「印象 劉三姐」を観た。漓 江の川と山全体を舞台にして600人が舟や川岸で演じる。北京五輪でも活躍した演出者の光や音声効果が素晴らしく、オーストリアで観た野外オペラにも優る とも劣らないものと言えよう。但し、雨だと川の水量が増え中止になる事が多く、3日泊った最後の日にようやく観る事が出来たのは運が良かった。
3.中国関連の最近の動き
<変化の兆し>
6月から円と元がドルを介さず直接交換出来るようになった。まだ3大銀行位しか活用していないようだが、徐々に貿易業者にも拡がっていくのだろうか。観光客に限れば土産物購入で円は歓迎されるので、もう先行しているのだが。
6月7日、上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会第12回会議(北京サミット)が北京で開催されている。発足して日が浅い国際機構だがこれまでの10年間を順調に歩み、安全保障、経済、人的往来及び文化などの各分野で大きな力を持つようになって来ている。今回はアフガニスタンまでもがオブザーブしたようだ。ロシアのプーチンはG7に参加せずSCO参加を優先した程である。
米国一極覇権の時代は確実に最終局面に入っていると言えるのだが日本のマスコミ報道では全く分からないだろう。
<いくつかの大きな課題>
日中間には先の日華事変・大戦という不幸な時代があり、靖国神社参拝問題や南京事件についての歴史認識問題等を抱えている。中国共産党独裁でチベット問題もあり、伸びていてもまだ新興国で商品の品質は良くないとのイメージも残存している。
何よりも中国軍の力が増大しており、核搭載の潜水艦やミサイルが米軍にとっても大きな脅威になって来ているようだ。米軍が沖縄集中配備から、グアムやフィリ ピン、タイ、ベトナム、豪州等に分散配置を図っているのもこの脅威を避ける為なのか。米軍はもう辺野古移転は考慮外になった筈だが日本政府は必死に繋ぎと めようとしている。県民の意識はますます県外移設で固まっているので不可能だろうが。
尖閣は折角実効支配しているの だから、棚上げして資源の有効活用策を持ち交渉していけば良いのだが。中国漁船衝突事件も尖閣3島東京都買い上げ問題も、日本から(米国の指示で?)わざ わざ喧嘩を売っているように見える。国の対応が不充分ではあり問題提起の意義は認めるが、強がるだけの愚かな行為と思う。
日本が米国の軍事力をあてにして「日米同盟の深化」とかいう美名の下、自衛隊が事実上米軍の指揮下に入るかのような動きが進んでいる。国会でまともな論議が 無くなって事実がどんどん先行しているようだ。集団的自衛権の行使も認めないと言葉では言うが、なし崩しに拡大解釈して米軍との共同軍事演習を海外各地で 始めそうなのは問題である。
いつの間にか中国を仮想敵国であるかのような動きが始まっている。一方で中国との貿易は米国とのそれを金額で上回り、不可欠である事が過小評価され過ぎていると思う。
4.友好・交流の輪を拡げよう
それにも増して日中間の長い歴史・文化の交流を軽視し過ぎていないか。英語が国際的に重要な言語である事は論を待た ないが、米国の支配層の考えである「合理的精神」を突きつめていくと、金が全て、力が全て、自由競争で勝者と敗者がいるのは当たり前という殺伐とした世界 になっていく。中国も幾多の戦乱を経ていてとても一筋縄ではいかないので充分な警戒は必要だが、胡錦濤主席の儒教を土台にした「和階社会」の理念は成功し ているし、一定の信頼は出来る国だと思う。
とにかく米国一辺倒で隷従して中国を敵視する政策は取るべきでない。交流の輪を少しでも拡げていく事が望まれる。成都も青島も厦門も大連も素晴らしい街並みになっている。どこも数時間で行ける本当に寛げる所なのだ。
又豊かになった中国人に沢山来て貰い、日本の良さを体感して欲しい。今回関空に帰る便は満席で多くの中国人が乗っていた。(白いランニングシャツ姿の農民が国際便に乗る時代だ!)
私 は初めて中国へ行った時、平安初期に苦労して海を渡った空海が訪れたという西安の青龍寺へ行って見た。そこで求めた槐樹の数珠を今も大切にしている。今住 みだした所も高野山へ1時間半で行けるので縁を感じている。仏教は昨今は葬式仏教と揶揄されるが、簡単に捨て去る程値打ちの無いものではないと思う。
お茶も漢字もいろいろ中国伝来のものは多い。この歴史的・文化的な太い絆はもっと大切にしていくべきではないだろうか。
中国 中東 FRB
私達は今暮らしに直結する歴史の大転換点にいる。世界の大きな3つの動きについて大掴みに把握する事が大切である。
1.中国の脅威・中国の住宅バブル崩壊論
最近日本に帰化した石平氏の講演を聞いた。中国の海洋進出の日本への脅威と、住宅バブルの危うさが2大テーマだったと思う。説得力のある話が多かったので更に知る為に同氏の多くの著書の中で「中国大虐殺史」を読み、中国の脅威についても考えてみた。
【中国の脅威】
<「中国大虐殺史」の要旨の一部>
日中の歴史認識で争点になる「南京事件問題」の本質と、中国共産党政権の残忍な性格を理解出来る好著である。それにしても歴史上の真実の惨劇に正面から向かい合うのは中々辛かった。
毛沢東の革命は本当に多くの人達の命を奪ってなされたものであった事が良くわかる。中国共産党は1921年7月上海で第1回党大会を開き、コミンテルンの中 国支部として発足以来中国史上最長の大規模な暴力・殺戮の時代が続けて来た。革命とは「破落戸というならず者達との共謀殺人」だとの事。「北伐」に始まり 「一村一焼一殺」「紅軍大粛清」「長春兵糧攻め」「土地改革運動」「鎮反」「粛反」「反右派闘争」「文化大革命」と続き18年前の天安門事件に至る迄の歴 史は絶対的権力者の恐ろしさが私の想像力を遥かに超えたレベルのものであった事を教えてくれる。
石平氏によれば「南 京問題」は「天安門事件」等の本物の殺人者が日本に怨恨を転嫁させようとする口実に使っているとの事だ。又、上記の数々の暴虐をやり続けた中国共産党が、 その後ソ連やベトナムやインドと国境を巡って争ったが大きな成果を得る事が出来なかった為、今度は海洋に進出拡大していく戦略に舵を切ったので、今後はま ず台湾いずれ日本への侵略は必須であり、日本はそれに対して充分備える必要があると強調している。
自立した日本として、日中戦争に巻き込まれず日中友好を実現して生き抜いていく為にも、中国への厳しい視点と対抗策も必要である事は理解出来た。
【住宅バブル崩壊論】
人民元は小幅な変動幅を取り入れたものの、まだ米ドルとのペッグ制を基本としている。その幅の範囲で僅かな利上げが続いているが米国から見れば全く不十分で、この点で両国は折り合わないままだ。
又、 住宅バブルの現状が楽観出来る状態ではないのは確かだが、何せ中国の発展はまだ臨海部が主体で内陸部はまだまだ成長の余地が大きく、国際的な資源不足の時 代だが中国は資源確保競争で健闘しており、資源さえ確保出来れば今後の成長余力はまだ大きい。今後多少の調整局面はあっても致命的なものにはならないと見 てまず間違いがないと考える。
中国を語る人達の多くがまだまだ研究・情報不足のものが多く、見方が一面的で感情的な 偏狭なものが多過ぎる。より正確な実情の把握が必要で中国が悪くなる事を期待するのではなく、どう友好を維持しつつ飲み込まれないように対抗していくのか という基本的立場・意志の確立が必要である。
2.中東
中 東の政変・政争が繰り広げられている。各国毎にそれぞれ事情があるようで、正確な所は把握が難しくじっくり推移を見守るしかないが、いくつか見えて来た事 がある。一つはサウジやカタールやUAE等日本が約8割原油を依存している国々は巨大な原油の収入により、豊かで貧富の格差はあっても一般の国民も生活は 充分可能で大きな不満があって王政の転覆を求める勢力は弱い事である。又国民を監視する体制も万全で情報統制も進んでいるようで、これ以上のドミノ現象に は至らないようだ。
ここでも一つだけはっきりしている事は、今後原油価格も他の資源同様高騰していくので、只でさえ高まっていた産油国の経 済的優位さが今後ますます高まっていくだろうという事である。それは日本のような原油輸入国にとっては今より更に恐ろしく辛い局面になっていくという事で もあるのだ。
チュニジアやエジプトは中東の中では比較的貧しい国々であった事が政変に至った要因のようだ。リビアは 内戦の様相を呈しているが、いずれの国もTwitterやフェイスブック等が一役買ったようだが欧米の関与の真実は諸説あるのでどれが本当か今後徐々に明 らかになっていくだろう。現段階ではっきり言える事は米国の指導力の低下が顕著であったという事だ。
いずれにせよイ ランや各国内のイスラム同胞団の力が拡大してイスラエルへの脅威が増え、近い将来の限定核戦争の危険が増していくという見方も根強く存在する。しかしこん なにイスラエルには不利と見える情勢下でも、彼らの入植地ではパレスチナ人に対し攻撃を強化している実態もあるようでその強靭さには驚くしかないのだ。
3.FRB
リー マンショック以降世界の金融情勢は米国のFRBがドルを刷りまくりそのカネで世界のマーケットに影響を及ぼしてきた。一つだけはっきり言える事はリーマン 後ますます巨大化したGS等の巨大金融資本は更に権益を拡大しており、巨大コンピューター取引を駆使し日本の金融資産を騙し取り続ける仕掛け作りに余念が ないという事なのである。
ギリシャ危機を出発点としてユーロ危機を演出したGS達は、ギリシャの国家破綻からユーロ 崩壊が起こりかねないと演出して、底値で日本に手離させユーロ買いに転じそこでも大儲けした。次は日米欧の債券バブルを崩壊させて大儲けをしようとしてい る。これだけドルを刷れば大幅円高必至なのだが一筋縄にはいかないようだ。途中一時的円安を演出するかも知れないが、大きくは円高にしてTPPや消費税増 税により日本経済を困窮させた後、債券バブルを崩壊させ急激なインフレを起こし日本を財政破綻に導き日本の資産を纂脱をして最後の大博打で史上を崩壊させ 大儲けしようと企んでいると思われるがどう展開するか。日米欧共何が起こってもおかしくない崖っぷちに立っているのである。
FRB 東京支店と言われる日銀は今はそれ程積極的共犯ではないようだし、これ以上の打つ手に乏しいが問題は財務省である。藤井氏や与謝野氏等高齢の政治家・高級 財務官僚は大きく変貌した世界の金融経済の実態を理解出来ないようだ。彼らを隠れ蓑にしてFRBが取り仕切る巨大金融資本の方針通り忠実に動く機関に成り 下がっているのが最大の問題なのである。
日経や朝日も全く同罪であり、GS等の巨大金融機関や今や債券市場の崩壊に 賭けたピムコの作戦通りに乗せられてカモになっていく公算が強い。リーマンの時に、あれだけ無能さが明らかになった格付け機関の格付けを未だに信じている 日本の金融機関や機関投資家は愚か過ぎる。彼らの資産はこれから1~2年で本当に毟り取られる事になるだろう。よくもまあこんな見え透いた騙しのテクニッ クに騙され続けるものか呆れる外はない。
今回も大き過ぎるテーマで、それぞれの専門家が多数 研究しているテーマを論じたが、この1~2年が決着の時期だと思う。いずれも明るくない内容であり国難のような事ばかり書いたが、ざっくり見れば当たらず とも遠からずだと思う。お金持ちには紙幣でなく現物を沢山持っておくという手があるが、そうでない私達に出来る事は困難に立ち向かえるように精神的に備え ておくしかないのである。
中国雑感
<はじめに>
日本人は中国嫌いの人が割合多く親中国派と呼ばれたくないようだ。今後更に世界の政治経済で力を増していくと思われる中国。日本の安定にとって、日中友好平和促進は極めて重要であり国益にかなう事であるので、この感情のわだかまりの克服が必要だと思う。何故中国人が好きで ない人が多いのか?どうしたら普通の国民の感情を友好促進の方向に改善していけるのかについて考えてみたい。
1.尖閣諸島の漁船船長拿捕事件があった現在は中国の脅威に怯え過ぎ
→これは米国産軍複合体・官僚・マスコミの自分達の既得権益擁護から始まった事なのに…
「中 国は覇権を求めず、日本は中国に敵対せず」を貫けば問題は起こらないという基本認識が重要である。中国は覇権を求めないと中国の首脳は度々言っている。米 国の一国覇権主義に比べたら中国は穏健に見える。中国の軍拡の実情や軍事戦略については冷静に実態を掌握して監視して対話を重ねたら良い。尖閣諸島の領有 権が日本にある事は明白でありこの事は毅然として主張したら良い事だ。
ところが経済が疲弊しきった米国の産軍複合体 は、戦争又は戦争に備えた警備特需を求めて尖閣諸島や朝鮮半島の緊張拡大を望んでいる。米国は日本の外務省・防衛省・自衛隊を事実上指揮下に置き、中国・ 北朝鮮を仮想敵国に見たてさせて日韓の軍事関連予算を増やし利益を得ようとしているのではないか。事実上陸海空に次ぐ第四軍となった海上保安庁に命じて漁 船を捕まえ船長を逮捕したり黄海で軍事演習をして北朝鮮を挑発しているのだ。マスコミはこの米国の戦略を隠して、一方的に中国の領土的野心による横暴だと 仕立てあげたり北朝鮮からの攻撃を懸念させて、日本人の嫌中・嫌北朝鮮の感情を煽り続ける事に必死である。尖閣の船長逮捕に抗議する僅か500人程度と言 われる反日デモを繰り返し報道が嫌中国感情を拡大した。
→勿論、日本人関連施設を毀損するデモは許されない事であるが。そして残念ながらこの世論誘導に乗せられてしまう日本人が多く、中国を嫌ったり避けたりする人達の比率が80%程度?いると思われるのが嘆かわしい実態であろう。
2.過去の日本の侵略の歴史について最低限の知識を持つ事と、今の中国をもっと知る事の両方が必要である。
→日本の既得権益層は元日本軍関係者かその縁者が多い。戦争の加害行為の隠蔽と過剰な責任回避・防禦の姿勢が強いと思う。過去の大日本帝国の栄光に浸った意識の持ち主も僅かながら残存している。こういう時こそ、日中の過去の歴史に、ありのまま何があったのか確認する立場が大切なのだ。
近代の歴史を冷静に振り返れば、中国は清国の時代からずっと受け身であり英・仏・独・露等西欧列強や日本の帝国主義国に侵略され、それと闘い続けてきた歴史と言えるのではないか。日本がその中でも最大級の加害国になっていった事は紛れもない事実である。
多 くの日本人の歴史認識は大変低いレベルに止まっている。戦後の教育は古代・中世は教わっても近代は殆ど教わっていず、司馬遼太郎等を読んで明治の日本の隆 盛ぶりを喜んでいる人が多いのだ。少なくとも高校の教科書レベルの日中の闘い(日本の侵略)の知識が必要と思うが時間切れで充分教わっておらず、一部の人 を除いて私も含めて殆どの人が基本的な事実を知らないと思う。これが最大の問題なのだ。私も今回基本的な知識を再確認し乍らこれを書いている。
この満州国の中心的存在だった満鉄の調査部が今の日本のマスコミを支配している電通の前身だと分かると今の日本の報道ぶりも大いに頷けるのだ。
中 国は、日本のシナ事変・大東亜戦争のような帝国主義的な大規模な武力侵略は行っていない。むしろ被害者であった期間が長かったのだ。日中戦争や第二次世界 大戦の歴史で中国との論争になるのは、南京事件の中国民間人被害者の数の問題がある。この件は数の多少を感情的に争う問題でなく両国の歴史学者が冷静に調 べるべき話であり、いずれにしても加害行為があった事は間違いないのだ。最近海南島でも慰問婦にされた人達が日本で裁判を起こしたが敗訴になっていた事実 を始めて知った。今は日本人がゴルフを楽しむ島だ。勿論、靖国神社参拝の問題が依然として最大のテーマになる事も避けて通れない事実だ。
日本の指導層に多くの軍人OBの人脈がいて強大な権力を維持している為、過去の加害行為を突かれたくない意識は強いのだと思う。最近戦時中に中国で生きた人の人体解剖もやった軍医がやっと重い口を開き事実を認めたケースもあったようだ。
<大連・旅順観光で知った事>
又、 敗戦前後の悲惨な体験を語りたくない人達も多いのだ。最近NHKは坂の上の雲で日本海海戦の秋山真之参謀の活躍を英雄視して放送しているが戦争はそんな カッコいいものである筈がない。日露戦争で大激戦を繰り広げた旅順の203高地の要塞等を10月に見て来た。当時の激戦を今に感じさせる場所がそこに生々 しく残っているのだ。乃木将軍とステッセル将軍の会見の場の水師営は粗末だが重要な歴史の跡を留める小屋が残存していた。数台のバスが連なり、中国の高校 生と思われる人達が整列して真剣に歴史を学んでいるのだ。旅順~大連の途中に1909年にハルピンで伊藤博文を暗殺した韓国独立運動の活動家安重根を収容 獄死させた監獄も見た。狭い重苦しい監獄が観光のルートに入っていたのだ。妻は途中でもう見たくないと離脱した。
大 連は噂に違わぬ実に美しい街並みだ。近代化も進んでおり、仙台の美しさを更に大規模にして、整然と街づくりされた落ち着いた大都会と言ったら良いだろう か。満州国ゆかりの建物がほぼ残存しており約100年前の日本の日の出の勢いを感じさせるのは確かだ。満鉄の跡には川重製のとてつもなくでかい機関車が1 台残って往時をしのばせる。又ロシア風の建物が残存する地域があったり、今は世界の資産家の隠れた別荘地の一帯でもあり本当に魅力たっぷりの都市だった。
立 ち寄った大連賓館(旧大和ホテル)は1914年竣工の当時の一流ホテルで往時の華やかさを偲ばせる。1972年9月に北京で「日中共同声明」に調印した が、その電撃的交渉成立前に田中角栄元首相と周恩来元首相が事前に交渉した部屋が当時のままらしく、その田中角栄が座った椅子に座って偲んで来ました。
し かし敗戦前後の日本人は本当に悲惨だったようだ。残った日本人のうち恵まれていた少数の医師や教員(安部公房と清岡卓行)も日本人の財産没収を手伝わさ れ、その恨みで引き揚げ船内で凄惨なリンチに遭ったり、コレラも酷かったようだ。地獄図が繰り広げられた船の出た大連の埠頭はホテルの窓から俯瞰出来る。 日本が作った実に美しい埠頭だった。ここから引き揚げ船が舞鶴に向かったのだ。
致命的なのは戦後の日本の教育でこう いった大正・昭和の近代の歴史を殆どやってこなかった事だ。誰でも酷い経験は語りたくない。戦後生まれの私の同世代は親からも教師からも中国侵略の歴史的 事実をあまり教わらず充分知らないまま育った。それに背を向けひたすら米国の経済圏で経済発展に邁進し成功してきた。英語はある程度覚えて欧米の文化には 馴染んだ人は多いが、遥か昔から交流の深かった中国に馴染みのある人がまだ本当に少ないのだ。
まして中国語が分かる人は極めてまれで中国人と日本人がビジネスは英語でやる事も多い現状であるが、一般の英語が充分でない国民同志での正しいコミュニケーションは容易ではない。
3.経済大国になったプライドと、巨大な市場かつ強力なライバルとなった中国へのとまどい
戦後経済大国に成長した日本は1980年まで朝鮮戦争やベトナム戦争特需もあり繁栄を謳歌した。バブル崩壊後も官僚・マスコミ・大企業の特権層は自らの権益 はむしろ拡大させつつ、従業員の待遇を切り詰め、正社員の採用を控えて乗り切ってきた。平成になってから更に米国の年次改革要望が厳しくなり、それに対応 してきたため中間層は大幅に抉り取られ、分厚い下層の労働力を作りだす為に労働者派遣法が制定された。その結果、日本の格差は先進国中で上位になってし まった。
特権層は衣食住(やや狭いが)とも世界トップクラスの生活を享受していると思う。少なくなって来た中間層ですら贅沢さえしなければデフレもあり、給与は抑えられても世界の中ではまだ高い水準の生活を享受していると言えよう。
こ ういった恵まれた人達からすれば中国の食品衛生や環境問題での後進性は蔑視の対象となるのだろう。実際の中国はこの面でも改善が著しく、特に沿岸部の大都 市の市街地の緑化・清掃は見違える程進んでいるのだが(私はまだ内陸部は殆ど知らない。20年前西安に行っただけだ)。
6 月に上海万博に行った際、行く度にキレイになっている上海には驚かされてきたが、立ち寄った深圳も事前のイメージが吹っ飛ぶ緑のある近代都市になってい た。多くの日本人は欧米や他のリゾート地への憧れは高いが身近の中国への関心は薄いままだ。行ったら快適で楽しい所なのだが。
実際に中国に行かないので分からないままTV新聞の意図的な中国へのネガティブキャンペーンをそのまま信じてしまう人が多いのが今の日本人の残念な所だ。この期に及んで、やっと生き残りをかけて中国に投資をする企業も又出てきており成否が注目される。
4.正確な現状認識を拒む心情と妬み
→今後具体例を正確に把握していく必要がある。
以 前から中国に進出した企業は安い人件費のみ求めたり、中国の文化、特に班の意識を充分把握して対応しない場合は進出しても失敗するケースも多かったよう だ。又最近の中国の発展振りに眼をつぶり、良く知ろうとせず、妬む人達も多い。そういった狭い感情を超越して、とにかく交流を深め、違いを理解し、お互い を敬う気持ちが大切である。政冷経熱や戦略的互恵関係等で止まらず、真の互敬関係が必要なのだ。何事もカネ・カネ・カネだけでは真の友人にはなれないの だ。ビジネスでも既に多くの部門でライバル関係になり競争も激しく、成功する中国企業への恐れ・妬みも大きい事情は理解できるが怯んでいてはいけない。昔 満州に進出した日産は、今は厦門の空港で最初に目につく東風日産で生き残っている。
5.人的交流の強化の必要性
→政府間、学生の交流に止まらず、自治体、民間人の交流も厚くする事が友好平和を齎す。
大平正芳元首相が外相の時に田中元首相と共に、毛沢東元主席・周恩来首相らと成し遂げた日中国交回復が歴史的大事業であった事はいくら強調してもし過ぎでは ない。当時それを知ったキッシンジャーが田中元首相をジャップ!と激怒したと言われている。その後も日中の関係が深まる事は米国にとって死活問題であり、 何が何でも阻止したい事のようだ。
<厦門・華安・泉州観光で知った事>
12月 の厦門・泉州の旅行でも眼を瞠る事が多かった。コロンス島の美しさ、伝統芸能の人形劇や音楽の素晴らしさだけでも一見の価値がある。ポルトガルが欲しがっ た風光明媚な島だ。真向かいには台湾領金門島・馬祖島が眼の前にあり、海峡が緊張していた頃に独製の巨大大砲が設置され今も観光用に残っている。厦門の街 も本当にキレイだった。
世界遺産の華安土楼は不思議な暖かさを持った宋代以来の客家の共同住宅だ。本当に一見の価値がある。客家は文天祥、孫文、鄧 小 平、リ・クアン・ユー、李登輝等の著名人が輩出した。華僑の多くが客家出身で、中国の改革開放経済の繁栄を支えた人達と言われている。厦門から高速を車で 2時間半。途中工場地帯漳州市を抜け、バナナ畑、茶畑(天下の銘茶、鉄観音の故郷)を抜けた山里の景観も穏やかで美しい。胡錦濤主席も訪れたそうだ。
南宋の文天祥 の思想が吉田松陰に繋がったとも言うし、1898年西大后のクーデターで日本に亡命した梁啓超は吉田松陰の思想を研究し中国の近代化を夢見たらしい。又日 本人にも馴染みの深い孫文は2010年に辛亥革命を起こし2012年中華民国の誕生で初代臨時大統領になった。尊崇の対象で中国各地に中山堂があるようだ が、日本亡命時代に日本人妻がいてお孫さんもいるようだ。
泉州は仏教、道教、イスラム教の寺が共存する京都・奈良のような歴史の街だった。老子の石像も鎮座している。その前で写真を撮ったが不思議に悠久の風が吹き わたっているように感じられた。泉州通准閣岳廟も参拝客でごった返していたが、おみくじを引いたら売り子の叔母さんが日本人と知ってわざわざ上上の籤を選 んで渡してくれた。
途中には大理石の卸売の街があった。日本人のお墓の石の多くは福建省産で厦門港から輸入されているらしい。海のシルクロードを大航海した英雄、鄭成功記念博物館の船の陳列も素晴らしかった。
中国の土地が国家所有である事は日本では共産党独裁で立ち退きを強制された例のみ報道されるが、少なくとも計画的な街づくりには極めて有効であると、どの都市へ行っても強く感じる。上海万博も良く中心街に近い所にあれだけ広大な敷地が用意出来たものだと驚かされたものだ。
本当にどの街も美しく計画的に開発整 備されているので、そのお陰で職住近接の人が多いようだ。厦門の27歳の男性ガイドは街の中心のホテルから車で10分未満の37階のビルの27階に妻と1 歳8カ月の坊やと暮らしていた。妻は弁護士だが子供が3歳までは働かないという。日本からの観光客激減の逆風にもそれ程めげずに道中お客(私達夫婦のみ) をほったらかして、株の売買を携帯でやって大幅減収の穴埋めをしていた。最終日は自宅マンションに招いてくれて、子供と遊んだり手作りのおいしい夕食を 作ってくれて楽しかった。
中国の人が好きでない理由に声が大きくうるさいと感じる人は結構多い。主張がはっきりしている事も婉曲さを好む日本人はちょっと苦手だ。しかしそんな事は本当は些細な事だ。遠くて近い中国の発展振りを多くの日本人が目の当たりにしたり、中国人と付き合いを深めれば簡単に乗り越えられる程度の問題だと思う。
何よりもお互いの言語を理解出来る人材がどの位厚くなっていくかがポイントになるだろう。”言葉を正確に理解する事が文化を知る事”というのは当たり前だが大切な指摘である。若 し今の菅政権のような非協調的な首相や、敵対的とも思える前原外相の政権が続いたとしても、日中の交流は必ずより太い友好的なものになっていくと思う。こ の歴史の必然的な流れは止められないであろう。私達も先人や今の日中友好平和促進の中核となって活躍する人達にいろいろ教えて貰い乍ら、あちこちをうろう ろして、ささやかに両国の友好平和に貢献していきたい。
・参考にした見解
①シンポジウム「日中の未来を考える~東京視点 日中市民交流イベント」2010.12.18
白西紳一郎氏(社団 日中協会理事長)や可越氏(東京視点・日中コミュニケーション代表取締役)達から得た情報。
②「大平正芳生誕100周年出版記念懇談会」 2010.12.20に参加した方々のスピーチ。
辻井喬氏(日本中国文化交流協会会長)も大平元首相をテーマにした小説があるようだ。
・参考にした書籍 大平正芳からいま学ぶ事
桜美林大学北東アジア総合研究所(川西重忠所長)
北京外国語大学北京日本学研究センター(徐一平主任)連携
発展中国と好対照の隷米で収奪される日本
私は最近日本の完全属国化を強要する米国嫌いが強まる一方で、それに対抗する極になる実力を備えて来た中国への関心の深まりが顕著になってきている。自立した日本であるにはどうしたら良いか考えると米国一辺倒からアジア重視に軸足を移していく必要があると思う。
<TPP問題>
TPP加盟問題が浮上している。ASEANで菅首相は検討するとシンガポールのリーシェンロン首相に表明したそうだ。クリントン国務長官に前原外相がハワイに呼びつけられて命じられた通りの事だ。この二人の関係を見ていると、つくづく厭になる。挙句の果てに前原は農業はGDPの1.5%だから重要では無いと言い出す始末だ。郵政民営化も改革案が一向に論議されず、前原はクリントンから小泉時代に決めた通りに早くやりなさい!牛肉の輸入再開も早くしなさい!と命じられて「ハイ!わかりました」とだけ答えているようにしか見えない。
とにかく菅も前原も米国のいいなりなのである。国内のコメ農家に与える影響をどうするのかを充分検討してからという発想が無いのが信じられない。Yes Sir(Mam?)!から始まるのだ。こんな姿を毎日見せつけられて厭にならない人は、「米国の100%手下の特権官僚やマスコミ」と同様に自立した日本人では無くなっている事を自覚したほうがいい。
とにかく農家の保護が重要である。今後のTPPの推移を見守りたい。
<中国の勢い>
胡錦濤首席も温家宝首相も米国に対峙している国のトップとしての風格がある。米国の言いなりで無く巧みに強く対抗しているので日本の隷従振りと違い、貫禄も人間性も強く感じ取れるのだ。日本への対応を見ると、米国以外には中国に対してさえ尊大に振舞う前原外相を嫌っているのは当たり前だが、それなりの大人の配慮を残して対応してくれている。
中国経済は2010年GDPで日本を抜いたと言われているが、この数字はあくまでも白の部分(表に出せる数字)での比較であるようだ。灰と黒の表に出ない賄賂等の経済を入れると既に遥かに上回っていると言われる。旅行者として一端に触れる範囲の印象では、それが本当だろうと感じられる繁栄ぶりだ。クリーンでないくせにクリーンを連呼する国とは大違いのおおらかさだ。
今年訪れた、上海も深センも香港も大連も、その発展振りは目を瞠るものがあるのだ。
文化大革命時代の大変な出来事や、共産党独裁による格差や、人権の抑圧、自由の問題や環境汚染等の多くの矛盾はあるのだろうが、日本人に対する感情が日本のマスコミ報道とは大きく違っている事は中国人と直接触れ合った事のある人なら分かっている事と思う。大部分の人は友好的だ。一部の反日デモはあるが日本の在特会や統一教会等が行うデモが多くの日本人の感情を代表していないのと同じ事なのだ。
<今後の国際経済の動向の軸は米中関係>
米ドルの下落は80円を切り75円に向かう事は日本の輸出企業も観念して対策を打っているようだ。米ドル札はリーマンショック以前に比べ2倍程度になっているという。単純に考えれば1米ドル50円になってもおかしくないのだ。これまで中国が米国債を買い支えて来たが、中国は投資先を日本やいろいろな所に投資先を変えようとしている。この米国と中国の攻防が毎日の国際政治経済を見る上で最重要事項なのだ。日本は未だに中国に次ぐ外貨準備を持ってはいるが、それは米国から見ればどうやっていつ奪うかの獲物であるに過ぎない。日本は自立した政治力は殆ど失ってしまっているのだ。
<反消費税・反戦活動の重要性>
とにかく現政権が強行しようとしている消費税増税が齎す国民の疲弊、不況の到来、格差の一層の拡大は極めて深刻な事態を招来するだろう。消費税増税・法人税減税は配当を増やし欧米株主に差し出す貢物なのだ。
なし崩し的な軍事行動の拡大は、憲法9条の有名無実化の完成に近付きつつある。米軍の指揮下で世界中どこでも一緒に戦争をやろうとする日本を目指した菅政権。どう歯止めをしていくのか?
表面的には前原外相が駐ロシア大使を呼びつけて又すぐ追い返す等威張り腐っているが、内実は外務・防衛官僚が実質全てを取り仕切っているので政治家の力は全く無力化しつつあり、小沢氏の政治力後退で、米国・官僚による日本の軍国主義化が急進展している段階だ。
微力でも反消費税・反戦活動は重要だ。この事を言い続け、特定の政党に支配されない草の根の活動・連携が重要である。仙谷がネット規制へ乗り出してくる等の強力な切り崩しが始まるであろうが毅然と対峙していく必要がある。ひとりひとりの行動が大切になって来ている。